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ドイツ「パッシブハウスと外断熱視察」報告

ドイツ「パッシブハウスと外断熱視察」報告


11月20日から29日までパッシブハウスと外断熱調査を目的に、ハンブルグ(パッシブハウス及び外断熱現場)、バーデンバーデン(断熱バルコニーメーカー)、ルートヴィヒスハーフェン(断熱材メーカー)、ミュンヘン(パッシブハウスコンサルタント)を回ってきました。


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ハンブルグ郊外のパッシブハウス

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パッシブハウス現場の表示

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パッシブハウスの工事中室内

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ハンブルグのエルベ河沿いに2003年に建設されたパッシブハウスマンション

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パッシブハウスマンションの熱画像 両隣の建物は既存建物(同建物の報告書より転記)

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厚い外断熱の壁を叩く

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バーデンバーデンの断熱バルコニーメーカー ショック社

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ショック社のプレゼン映像 バルコニーの熱橋対策は重要なポイント

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ルートヴィヒスハーフェンの1リッター(10kWh/㎡a)ハウス

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ケルン郊外のパッシブハウス

ミュンヘンでは、パッシブハウスコンサルタントのクーラー・アンドレアさんから、ドイツの省エネ政策(EnEV)やパッシブハウスに関する最新の情報についてレクチャーを受けました。

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パッシブハウスコンサルタント クーラー・アンドレアさん


10月の「ドイツ・トルコと外断熱・ブルーノ・タウトの旅」でStoAG本社からミュンヘンに来て案内していただいたアジア担当部長ミヒャエル・キルン氏から「ドイツでは省エネの規制が年々 厳しくなり、外観を変えられない既存建物にも省エネが義務づけられたため、最近は内断熱システム(innendämmung)の現場も増えてきている」との話を聞いた。そこで、11月の調査ではドイツにおける内断熱(innendämmung)施行現場の視察をハンブルグ在住の建築家・上田仁司氏にリクエストしたが見ることが出来なかった。上田氏から内断熱システム(innendämmung)のパンフレットとサンプルを戴いた。

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内断熱システム(innendämmung)のパンフレットとサンプル

ドイツの内断熱システム(innendämmung)については、月刊建築仕上技術12月号のインタビューでも話しているが、「ドイツには多くの歴史的建造物がありますが、それらの建物については、かつては断熱しなくてもよいとされていたが、省エネ基準が厳しくなって、歴史的建造物といえども放ってはおけなくなり、かと言って外観に手を入れることはできないため内断熱にせざるを得ないというわけです。日本では、透湿抵抗の高いポリウレタンやXPSなどでも防湿施工をしっかりやれば寒冷地でも問題が起きないと言われてきました。当然、ドイツにおいても室内側の防湿性能を高めた内断熱システムと思っていましたが、実際の内断熱システムはこれまでの日本の常識とは全く違ったシステムでした。軽量気泡コンクリートような素材に90%に空気を閉じ込めたシステムで、防湿気密ではなく吸湿放湿を行うシステムです。内断熱では、どのような防湿施工を行っても完全ではないのです。」

フラウンホーファー建築物理研究所(IBP)に内断熱システム(innendämmung)について確認したところ、「IBPはこれまでにいくつか、内断熱に関する研究プロジェクトを行ってきました。 WTA(建物の維持管理と文化財の保存に関する学術的および技術的な組合)の内断熱に関する参考書の作成にも関わっています。現在は、ドイツの外断熱システム協会と一緒に、内断熱システムの正しい使い方と防湿評価に関する指針作りをしています。」「防湿性能の高い内断熱(つまり、防湿シートを使ったり、湿気を通しにくいフォームガラスや硬質発泡系の断熱材を使ったもの)は、壁体内部の湿気を室内側に出して乾燥させることができないという欠点があります。よって、雨水が壁体内に浸入した場合や、夏型結露が生じた場合に問題となります。」「このために近年では、室内側に湿気を出して乾燥させることのできるシステムが採用されるようになっています。夏に室内へ湿気を通すために、冬は室内から壁体内部への湿気の流入が抑えられてしまいます。このバランスは、詳細に決める必要があります。そこで内断熱の壁体内の湿気の挙動を、熱・湿気のシミュレーションプログラム(非定常熱湿気同時移動解析プログラム・WUFI)を使って、気象条件や建物の使用条件をいろいろ変えて分析する必要があります。この分析の方法は、外断熱システムに関する新しい指針で公表される予定です。この指針のうちの一部は、早ければ今年中に公表される予定です。」との回答が届きました。

11月9日に東京国際フォーラムにおいて、フラウンホーファー研究機構主催のフォーラム「ドイツにおけるエネルギーと資源の効率的活用」が開催されました。このフォーラムにおいてフラウンホーファー建築物理研究所のハウザー所長が「エネルギー効率のよい建築技術」について講演をしました。ここでハウザー所長は、「ドイツの断熱材の厚さは法律で120㎜以上と決められており、160㎜から200㎜が一般的で、300㎜も普通に使われている」とした上で、「これからは住宅がエネルギーを消費するのではなく、エネルギーを創る"プラス・エネルギーハウス"の時代になる」と話しています。外断熱は常識で、内断熱システムは外断熱が出来ない場合の対策なのです。


月刊建築仕上技術12月号


10月の外断熱推進会議主催 第10回「ドイツ・トルコと外断熱・ブルーノ・タウトの旅」と11月の「ドイツ パッシブハウスと外断熱調査」をふまえた、「EU、日本の外断熱事情について」、弊社代表堀内正純(外断熱推進会議事務局長)のインタビュー記事が掲載されました。

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「EU、日本の外断熱事情について」堀内正純事務局長のインタビュー記事

堀内正純事務局長のインタビュー記事

また、月刊建築仕上技術12月号には、海外視察報告「ドイツ・トルコの外断熱最新動向とタウト作品~NPO法人外断熱推進会議主催 第10回「ドイツ・トルコと外断熱・ブルーノ・タウトの旅」として12ページにわたりが紹介されています。


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フラウンホーファー建築物理研究所前での訪問団一行

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月刊建築仕上技術12月号((株)工文社

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月刊建築仕上技術12月号 目次

2011年10月8日から18日まで実施された、トルコ(イスタンブール)とドイツ(ミュンヘン・ベルリンほか)の外断熱及びブルーノ・タウトの足跡を訪ねた視察内容を参加した13名(田中辰明・本間寛喜・平川秀樹・大橋周二・西川新八郎・橋本秀久・石井靖彦・吉永美香・佐々木隆・柏木茂・米澤稔・美馬弘・堀内正純)が執筆しています。

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海外視察報告「ドイツ・トルコの外断熱最新動向とタウト作品~NPO法人外断熱推進会議主催 第10回「ドイツ・トルコと外断熱・ブルーノ・タウトの旅」

投稿者 日本パッシブハウスセンター :2011年12月19日

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