昨夜(6月29日)は、サッカー UEFA ユーロ2008の決勝戦だった。ダムシュタッド 市街地の中心部に設置されたパブリックビューイングの会場にはドイツの勝利を確信 し、顔にドイツ国旗のペイントをした人々で溢れていた。
試合は、ドイツ人にとっては残念だったが、スペインがフェルナンド・トーレスの決 勝点でドイツを下し、44年ぶりにUEFA欧州選手権で優勝した。
今日は、事前にアポイントをとっていた パッシブハウス研究所を訪問する日だ。 午前9時にRheinstrase44-46のビルに着いた。 入り口に、Passive House Instituteの表示があった。
あいにくファイスト博士はオーストリアの大学で 講義があるとのことで不在であった。 応対してくれたのはZeno Bastian氏、パッシブハウスの歴史、 理論、事例についてパワーポイント映像を活用して紹介してくれた。
Bastian氏のプレゼンテーション中、 メンバーからの質問が相次いだ。
その都度、バウマンさんが紙に書いて解説してくれた。 質問の中で、パッシブハウスとして必要な条件として、 年間の暖房に必要なエネルギーを15 kWh/m2a 以下というのは理解できたが、暖房・給湯・家事等に 使用するエネルギー使用量を電気に換算して 120 kWh/m2aとしている根拠について 長い質疑が続いた。ドイツでは、工業規格(DIN)に より(一次)エネルギー使用量を計算する際には、 一次エネルギー係数( イーアイサイトEri通信参照)を使って計算すると言う。 実際に消費した(一次)エネルギーの量は、以下の式で計算される。
(使用したエネルギー量)×(一次エネルギー係数) =消費した一次エネルギー量
従って、電気の場合は、実際の使用量に一次エネルギー係数 「2.7」を掛けた数字となる。 使うエネルギー源によって(一次)エネルギーの量は異なるのだ。
Bastian氏のプレゼンテーションの中で、 これから日本でパッシブハウスを建設しようとしている方々に 知らせておきたい重要な話があった。 前日訪問した、ドイツで最初のパッシブハウスに暮らす ウィルマ博士は「冬は窓を開けないほうが良い、 一旦室温が下がると暖めるのが大変である。 ドイツ人は、冬でも窓をあける習慣がある」と 話していたが、パッシブハウスはその家での暮らし方が重要となる。
パッシブハウス研究所(PHI)では、 2000年のハノーバー万博のために1998年に建設された32世帯の パッシブハウスの暖房使用量調査を2001年~2002年の冬に実施した。
その結果、平均では暖房に使用するエネルギー量は 15 kWh/m2a以下であったが、家によっては 30 kWh/m2a以上エネルギーを消費している家もあった。 同じ話しをスウェーデンのハンス・エーク氏から聞いたことがある。
パッシブハウスは、断熱を厚くして、高性能な窓を装備し、 熱交換率75%以上の熱交換換気装置があればエネルギー量は15 kWh/m2a以下となるのではなく、 住み手側の知識も重要なファクターになる。
ウィルマ博士もパッシブハウスでの生活に慣れるまでに 2~3年かかったと話してくれた。
Bastian氏のパッシブハウスに関するプレゼンテーションでは以下のようなことが述べられた。
Bastian氏によれば、パッシブハウスの構造体は、 木造・メーソンリー造・RC造・メーソンリーと 木の混構造・断熱入レンガ造などで、 その用途は、個人住宅・集合住宅・病院・老健施設・ 学校・体育館・消防署など多彩である。
欧米におけるパッシブハウスのデータベース ( Detailed Search for Passive House Projects ) に事例が紹介されている。
3時間をかけた、Bastian氏のプレゼンテーションと 質疑を終えたメンバーは、 Bastian氏と別れパッシブハウスの建設現場調査に向った。
続く
投稿者 日本パッシブハウスセンター :2008年11月 6日