日本の気候風土にあったパッシブハウスの設計・コンサルを行います。

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パッシブハウスセンター設立にあたって

2003年1月27日スウェーデン第二の都市・イエテボリ市郊外のリンドース地区に建設された20戸の低エネルギーテラスハウス(20 low energy terrace houses in Gothenburg)をまだ法人化前のNPO外断熱推進会議の仲間たちと見た。2001年4月30日の朝日新聞に「暖房費のいらない家」として紹介されていた建物だった。誰が名付けたのかこの建物 "Houses Without Heating Systems" を「無暖房住宅」と紹介した。初めて、リンドースの無暖房住宅(パッシブハウス)を見たときは、断熱材の厚さと窓(ガラスと窓枠)の性能、日射遮蔽(取得)に注目した。

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 2003年1月27日 リンドースの無暖房住宅前で ハンス・エーク氏

 

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U値=0.85W/m2Kの窓

2003年10月に再度、リンドースを訪問しハンス・エーク氏と再会した。このときハンス・エーク氏から無暖房住宅(パッシブハウス)建設に至る歴史的な背景と思想についてプレゼンテーションがあり、大きな感銘を受け日本にも伝えたいと考えた。

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2004年8月に法人化した外断熱推進会議としてイエテボリを訪れたとき、通訳の友子・ハンソンさんを介して、来日について打診した。ハンス・エーク氏はスケジュールで埋まった手帳を取り出して2005年2月20日に印をつけた。

2005年2月20日にイエテボリを出発したハンス・エーク氏は翌21日に始めて日本の地に降り立った。その後、長野市・衆議院議員会館・東京都・京都市をまわり3月2日の札幌講演を終えて帰路についた。

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満員の長野セミナー

このハンス・エーク氏の来日が、パッシブハウス(無暖房住宅)の日本での新たなスタートになった。かって一冊の本(日本のマンションにひそむ史上最大のミステーク)がRC外断熱工法を蘇らせたように・・・・

パッシブハウスについて、お茶の水女子大学名誉教授の田中辰明博士は外断熱推進会議主催のセミナーの中で『1973年秋に第一次石油危機が発生した。石油から自立して日本もやっていけるようにという考えで当時の通産省が太陽熱で暖冷房給湯が行える住宅や建築の開発を行なう「サンシャイン計画」を立ち上げ、太陽熱利用の研究が開始された。ここで「パッシブソーラーハウス」、「アクテイブソーラーハウス」という言葉が使われるようになった。太陽集熱機を設置し、ポンプやファンなどの動力を利用して太陽熱を利用する建物を「アクティブソーラーハウス」、ポンプやファンを利用しないで、太陽熱を利用する建物を「パッシブソーラーハウス」という。ここで「太陽熱を利用」と書いたが、パッシブとは「受身の、消極的な、無抵抗の、言いなりになる」などの意味があるので、「太陽熱の恵みを受ける」と言った方がベターであろう。従来各国や地方で育成されてきた民家の類はパッシブソーラーハウスであった。』と話している。田中辰明博士は、1981年に米国都市開発省と米国エネルギー省が編纂した「パッシブソーラーハウス設計事例集」日本語版の監修をしている。

 近年の欧州におけるパッシブハウスは、ドイツ人の建築物理学者ウォルガング・ファイスト博士の話によると「ルンド大学の建築物理学講座のブー・アダムソン教授が1980年代後半に、ルンド大学の客員研究員であったファイスト博士に、欧州でパッシブハウスを建設してはどうか」と話したことから始まったと言われている。ドイツのパッシブハウス研究所のホームページの「パッシブハウスとは何か?」には、アダムソン1987そしてファイスト1988と書かれている。

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ブー・アダムソン博士(左)とヴォルフガァング・ファイスト博士(右)
What is a Passive House?

 

A passive house is a building in which a comfortable interior climate can be maintained without active heating and cooling systems (Adamson 1987 and Feist 1988). The house heats and cools itself, hence "passive".

 

ファイスト博士は、1990年にパッシブハウスのプロトタイプの建設をドイツ・エッセン州ダルムシュタッドで始め、1991年に完成した。ファイスト博士は、現在でもその住宅に住んでいる。ファイスト博士が設立したパッシブハウス研究所(PHI)は、世界中にネットワークを広げ、その基準はエネルギーパスに採用され、今後のドイツにおける省エネ基準になろうとしている.

参考資料 What is a Passivehouse(pdf: 2.4Mb)

前記、ハンス・エーク氏は、1974年に設計事務所を友人と設立し、環境にやさしい住宅をテーマに、太陽熱を利用した住宅を建設した。しかしその建物は複雑でシステムがうまく作動しなかった。まさに、エンジニアのクリスマスツリーのような建物であった。

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エンジニアのクリスマスツリー

また、1978年にはパッシブソーラーハウスを設計した。アメリカの建物を参考にしたが、アメリカとスウェーデンの緯度(気象条件)がことなりうまく行かなかった。この建物は、年間2,500 kWh/m2(250 L)の暖房用エネルギーを必要とした。

このとき、エネルギーロスを少なくして、足りない分だけエネルギーだけを補充する考えが重要と考えた。

1985年にスウェーデンのカールスタッドに高断熱住宅を建設した。断熱厚さは、壁35 cm、天井50 cm、床下20 cmで年間暖房費は2,100kWh/m2(210L)であった。また、同年、ドイツと共同でドイツのインゴルシュタッドに高断熱住宅を設計した。その建物はドイツの一般的な住宅の1/3のエネルギー消費でおさまった。

その成功で1990年にドイツの行政からドレスデンにも同じような高断熱住宅の設計依頼を受け、スウェーデン住宅と同じ仕様で設計した。

ここまでくると、パッシブハウス(無暖房住宅)は目前であった。2001年イエテボリ市郊外のリンドース地区に20世帯が暮らすテラスハウスを建設した。断熱材の厚さは、壁43 cm、屋根50 cm、床 30cm、窓のU値0.75 W/m2K、熱交換換気装置(Temovex)の熱回収率は80%以上で、「暖房機を必要としない住宅(無暖房住宅)」が成立した。

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REC-Temovex                 リンドースの無暖房住宅に設置されたTemovex

ハンス・エーク氏は、2003年にファイスト博士とともにこの年の「イエテボリ国際環境賞」を受賞している。

スウェーデン ルンド大学のブー・アダムソン博士、客員研究員であったファイスト博士、ドイツで高断熱住宅の設計をしてきたハンス・エーク氏、彼らのネットワークは、ドイツのパッシブハウス研究所を中心としながら全世界に広がっている。

ファイスト博士のパッシブハウス研究所は、米国を始め世界中にネットワークを広げ、ハンス・エーク氏は、中国の大連において400戸のパッシブハウス団地建設をコーディネートしている。ドイツのダルムシュタットで会ったパッシブハウス専門建築家(パッシブハウザー)は、現在スリランカのパッシブハウスの設計に取り組んでいる。

日本パッシブハウスセンター(JPHC)は、高気密・高断熱住宅や外断熱建築の設計をてがけてきた建築家や温熱や測定に関する専門家をスタッフとしていると同時に、ドイツの非定常熱湿気同時移動解析プログラム "WUFI(ヴーフィー)" 及びパッシブハウスインスティチュート(PHI)のPHPP(Passive House Planning Package)を活用し、日本の気候にあったパッシブハウスの建設をすすめる。

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2008年8月9日(有)イーアイ事務所に集まった日本パッシブハウスセンタースタッフ

これらを背景に、日本パッシブハウスセンター(JPHC)は消費者(ユーザー)及び工務店・ハウスメーカーの方々と「日本型パッシブハウスをともに目指!」していく。

日本パッシブハウスセンター基準(冬の室温 20℃、夏の室温 27℃)

  1. .暖房用エネルギーは、15 kWh/m2・a同等又は以下とする
  2. 冷房用エネルギーは、15 kWh/m2・a同等又は以下とする
  3. 冷暖房、給湯、換気、照明・家電に使用する一次エネルギーは、120 kWh/m2・a以下とする
  4. 壁・屋根など外気に面する外皮のU値は、0.15 W/m2Kを超えない(I地域、II地域)
  5. 窓(硝子と枠のトータル)は、U値が0.8 W/m2K以下を目標とし太陽熱取得率を約50%とする
  6. 住宅の気密性能は、50 P(n50)時の漏気が0.6回/h以下とする。
    気密測定については防湿シートが見える状態で行うこと。
  7. 熱交換換気システムによる排気からの効率的な熱回収率を80%以上とする
  8. 太陽熱の取得と遮光を考えること
  9. 再生エネルギー、自然エネルギーの活用を推奨する
  10. 省エネルギー照明・家電製品を使うこと

2008年8月9日制定

投稿者 日本パッシブハウスセンター :2008年9月12日

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